兵庫県型 「体験教育」 のさらなる取り組みについて(第353回定例会 一般質問⑤)

近年の情報化社会の進展やコロナ禍により各種体験活動などが実施困難となったことでバーチャル、リモート活用(ICT化)が増えています。遠隔地との交流など体験学習の幅が広げられるという利点はありますが、やはり実際に体験する機会を持つことも大切だと考えます。

私はこれまでもスキー実習の継続支援などを訴えてきましたが、残念ながら昨年の雪不足や今年のコロナ禍により神戸市の一部の小学校が30年近く続けてきたスキー実習を取りやめ、丹波市の中学校ではスキー学校を今年度で終了させ他の事業に置き換えるなど、ますますスキー実習は減少しています。今の時代だからこそ、児童生徒が豊かな人間性や社会性を培えるよう、人や自然とふれあう様々な体験学習が必要ではないでしょうか。

さて、わが県の兵庫型「体験教育」では、自然学校のほかにも地域の社会体験活動である「トライやる・ウィーク」など、兵庫ならではの様々な特色ある取り組みを実践されてきましたが、コロナ禍による大きな環境変化を踏まえ、今後のウィズコロナ、ポストコロナの社会を見据えた体験学習・自然学習の取り組みについて、当局のご所見をお伺いいたします。

答弁 教育長

兵庫型「体験教育」は、児童生徒にとって一生に一度の貴重な機会となっており、自己肯定感や自己有用感等、児童生徒の成長を促すためには連続したまとまりのある期間が必要と考えております。今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で授業時間数の確保が最優先とならざるをえないことから、機会の確保を優先し、実施日数を弾力化しました。体験内容はそれぞれの体験活動の趣旨やねらいを再認識したうえで、短期間でも効果的な体験となるように検討を求めたところです。

来年度については「トライやる・ウィーク」推進協議会でも、「新型コロナの制約はあるものの、『体験教育』は重要であり、様々な工夫をしながら実施すべき」とのご意見をいただきました。通常の実施日数を基本としながら、新型コロナウイルス感染症対策等の新しい生活様式を踏まえ、各学校がそれぞれの体験活動のねらいに向けて創意工夫するよう通知をいたしました。

その中で、事前・事後学習、また活動のツールとしてICTを活用することも検討するよう示したところです。今後とも、児童生徒にとって貴重な体験となりますよう、市町教育委員会や関係者とともに計画段階から連携を図りながら、そして県民の参画と協働を得ながら、兵庫型「体験教育」の充実に努めてまいります。