土木・建築業における若手人材の確保・育成への支援について(第353回定例会 一般質問④)

建設業においては、若手新規就業者の減少や既存の就業者の高年齢化の進行により、現業作業員や建築士や土木施工管理技士など有資格の人員不足が深刻な問題となっております。県では、県内の工業高校生を対象に建設業への入職促進につながる2級土木施工管理技士・建築施工管理技士の学科試験向け講習会やハローワーク連携の下、離職者の職業訓練や在職者向けの技能向上や資格試験対策講座などを行っています。

一方で、いまだ3K(きつい・汚い・危険)というマイナスイメージから脱却できず採用に困難を極める状況でもあります。そんな中、自助努力で若手人材の育成に果敢に取り組む先進事例がわが兵庫県でも出てきています。

右に記載の吉田組での取り組みを采配されたのは元明石商業高校教員兼野球部コーチで(株)吉田組の壺阪人事部長であり、技術者養成コース教育には一級建築士であり兵庫県スキー連盟の飴野教育部長が携われております。

様々なる取り組みを実践している県として、今後、土木・建築業における若手人材の確保・育成への支援についてどのように取り組まれるのか、そのご所見をお伺いいたします。

答弁 県土整備部長

令和元年の全国の建設業就業者は、55歳以上が全体の約35%、29歳以下が全体の約11%と高齢化が進行しており建設業界全体として担い手の確保と技術力の維持・向上が大きな課題となっています。

県では「兵庫県建設業育成魅力アップ協議会」を設置し、若年者の入職促進や建設業界全体のイメージアップ活動に取り組んでおります。定時制高校生等の施工実習を正規雇用につなげていく雇用支援事業等や、若い世代やその保護者に建設業の魅力を伝える説明会や現場見学会の実施。また、建設業界で活躍する人物や事業を新聞紙面で紹介する特集記事の掲載、女性技術者と女子高校生との意見交換会の開催等に加え、今年度新たに建設業の魅力発見をテーマとした動画コンテストを実施します。

土木事務所においても、社会基盤整備の重要性の理解促進を目的とする小中高生対象の出前講座や現場見学会を引き続き開催していきます。一方、技術力の維持・向上では、今後益々普及拡大するICT活用工事の建設業界向け研修会の開催や、職業訓練法人三田建設技能研修センターと連携し砂防工事等で使用する特殊なケーブルクレーン運転の実務講習を企画するなど、時代やニーズに応じた建設人材の育成に取り組んでまいります。

今後とも、建設業界、工業高校等と連携しながら建設人材の確保・育成を積極的に支援してまいります。