2016年の統計によると、兵庫県では、全事業所数のうちの98.9%が中小企業であり、従業者数で見ると、77.1%の従業者が中小企業で働いています。私は中小企業支援、とりわけ経済性向上や品質向上、さらには、人手不足への対処法としても、ものづくり産業における中小企業のIoT等のデジタル情報技術の導入と活用が重要であり、この分野への公的支援が不可欠であると考えています。

デジタル化が進展する社会にあっては、中小企業にとってもIoT等のデジタル情報技術を活用することの必要性と重要性を理解しつつも、現実的には大半の企業がどうしていいのか分からず、目論んだ成果を上げられないでいるのが現状です。各中小企業の経営環境に合ったIoT環境を整えていくためには、知見と経験が豊かな専門職機関の支援体制を構築していくことが望まれます。

10年先の2030年を見据えるとき、今よりも大きくデジタル化が進展していることは確実であり、デジタル化へ対応できない事業者は、受注できずに切り捨てられる可能性があるということであります。兵庫県の発展のために、中小企業のデジタル化、情報化支援は必須と考えます。

IoT等のデジタル情報技術を活用したものづくり産業の振興をどのように図っていかれるのか、当局のご所見を伺います。

答弁 産業労働部長

本県では、平成27年度よりIoT、AIに関わる研修やロボットシステムの開発を支援してまいりました。昨年度からは、NIROにIoTなどの相談窓口を開設、生産工程の自動化をはじめとした支援やIT事業者との商談会を開始しました。

課題としては、小規模な企業では、ITスキームにたけた人材に乏しく、専門家によるフォローが必要であることが上げられます。このためIoTなどに関する人材育成を念頭に置き、NIROを中核として、今年度から県立大学の産学連携・研究推進機構内に設置されたAIセンターや産業活性化センターと連携を一層密にし、座学と実習からなる訓練を実施するほか、経験豊富な企業OBによる企業診断の上で専門家を派遣し、個々の生産現場に応じたデジタル技術の実装支援も行うこととしました。

人手不足が切実な今こそ、IoT、AI、ロボットなどを広げる好機です。兵庫の強みである熟練の職人技と効率に優れたデジタル技術が融合する兵庫ならではのものづくりの進化へとつないでまいります。