高齢者が“住み慣れた地域”で介護・医療・生活支援サポート・サービスを受けられる、「住まい」「医療」「介護」「生活支援・介護予防」を包括的に体制を 整備していくという仕組み、「地域包括ケアシステム」の整備が計画されている。
兵庫県が新規事業として進める、空き家を活用した高齢者グループハウスの 設置事業は、今まで築いてきた人間関係や地域とのつながりから、地元で生活 したいという高齢者の気持ちに寄り添ったすばらしい施策であり、全県下に展開 していくべきである。
施設介護には物理的限界があり、「地域包括ケアシステム」を整え、安心の在 宅介護を実現することが求められている。
本県の介護施設の整備状況と今 後の整備計画、およびその整備状況や計画を踏まえたうえで、在宅介護の現 状や課題、「地域包括ケアシステム」整備の今後の展開について所見を伺う。
|答 弁| 井戸 敏三 知事
介護施設整備計画では、2025年に向けて約1万3千床の特別養護老人ホームの整備が必要である。 この内8,000床を後期高齢者が急増する大都市部を中心に整備し、5,000床は在宅介護で対応する。今年 度末までに、8,000床のうち2,164床が整備される見通しである。 在宅介護サービスは、9月末現在、訪問介護事業所が1,954カ所、通所介護事業所が1,907カ所あり、中学校 区毎の設置を進めている小規模多機能事業所は目標の7割程度である237カ所設置されている。 今後の課題としては、認知症や一人暮らし、老老介護世帯等を支えるための24時間在宅介護サービスの充実や、 認知症への対応力など介護職員の資質の向上も必要と考える。 このために、24時間対応の定期巡回・随時対応サービスや、特養並のサービスを提供する特定施設入居者生活 介護の指定を受けたサービス付き高齢者向け住宅の拡大を図っている。今年度、空き家を活用したグループハウス設 置事業を、東播磨地域でモデル的に取り組んでいる。