物流システムの世界では、従来の「場所から場所」への物資の輸送から「生産から消費」までの流れを指す「ロジスティック」という言葉が使われ始めています。しかし、災害時に物流が滞ると地域社会に混乱が生じます。例えば、今般の能登半島地震では、幹線道路の被害により物資搬送に大きく制約を受けました。物資輸送には有利であるはずの海上輸送も機能せず、避難所では飲料水や食料などの物資が不足する事態となっています。
このような状況を受けて、兵庫県でも陸路や海路が損なわれた際のヘリコプターやドローンによる物流も検討すべきではないでしょうか。防災先進県として、災害時の物流確保への備えは、どのような想定に対しどのような備えをなされているのか、当局の所見をお伺いいたします。
答弁 斎藤元彦 知事
大規模災害時に、陸路や海路、空路などあらゆる輸送手段を活用し、避難者の命を守る物流を確保することが重要であるという風に考えております。県では、南海トラフをはじめとした大規模災害を想定し、自衛隊等、大型ヘリが発着可能な中核となる物流拠点を三木総合防災公園に整備するとともに、概ね1時間以内で全県をカバーできるように県内5箇所にブロック拠点を整備しております。
また、県のトラック協会や航空事業者などとの協定を締結し、災害時の緊急輸送や物流拠点の運営管理に支援を受けています。昨年9月の合同防災訓練では、ドローンによる孤立集落への輸送も実施しました。今後は、ヘリやドローンを含めた多様な輸送手段の確保に取り組むための有識者検討会を設置し、防災訓練を通じて物流体制の強化を図っていきます。