県内の多自然地域に位置する市町への県としての支援について(第366回令和6年2月定例会一般質問③)

県内の多自然地域に位置する市町への県としての支援について

(1) 新しい働き方を通じた市町との連携強化について

 山間部の市町では、過疎化や高齢化が進行し、施策の立案や実行が難しくなっています。兵庫県では、テレワークの最大限の活用により4割の出勤率を目指し、モデルオフィスでの試行を行っています。この取り組みについて、地域活性化や市町支援の視点から提案があります。具体的には、県職員が市町の庁舎一部をサテライトオフィスのように利用し、現場での課題把握や共同プロジェクトの展開を図ることで、地域の活性化と県・市町の連携強化もより強化されると考えます。
 また、私が市長在任中に県から派遣いただいた土木職職員の方は、明石市の中心市街地の再開発事業やたこバスの運行開始事業など多大な貢献をいただいたことから、土木部門のみならず多様な分野での専門的知見を生かしてほしいと切に感じました。
 本提案は、4割出勤の効果をより多く県民に還元することにつながる妙案であると考えますが、当局の所見をお伺いいたします。

答弁 総務部長

 県では、新しい働き方を模索する一環として、モデルオフィスでの試行を行っており在宅勤務だけでなく、サテライトオフィスやコワーキングスペースの活用も進めています。来年度にはサテライトオフィスを拡充し、各部が1か月交替でコワーキングスペースを活用する新たな試行を実施します。これにより、対面コミュニケーションや人材育成などの課題に対応し、本庁と県民局の職員の連携強化も図ります。また、地域の活性化にも県と市町の連携が不可欠であり、市町庁舎へのサテライトオフィスの拡充や協働の可能性を検討していきます。
 引き続き、新しい働き方の目的である「県民本位で質の高い行政サービスの実現」に向け、取組を続けてまいります。

(2) 自治体のDX推進による地域活性化について

 三菱総研のレポートによれば、地域社会は人口減少や高齢化などの課題に直面し地域サービスの変革を求められています。地方自治体では、デジタル化が進む一方、コミュニケーションや暮らしの質の向上には改善の余地があります。
 そこで、地域の行政と民間企業が協力し、地域共創DXと呼ばれる取り組みが展開されています。この取り組みは、高解像度のサービスを提供し、多様なサービスを組み合わせて最適なものを選択できるようにすることで、地域の課題に対処する新たなサービスが生まれ、事業機会が拡大する可能性があります。
 地域のDX化には、データを活用した効果の仮定やターゲット層の絞りを含む施策の実効性が重要であり、地域におけるデジタル化は利便性向上や若者の流出抑制にも期待されます。地域活性化につながる多自然地域の市町のDX化実現に向け、県として支援が必要だと考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

答弁 企画部長

 ICTとデータを活用した地域DXに市町や民間と連携し取り組んでいます。全市町が参画する協議会でシステムの共同購入や人材育成を進めるとともに、民間の参画も得てスマートシティモデル事業を開始しました。電子タグを用いた認知症高齢者の見守りシステムや市役所から離れた地域で窓口サービスを受けられる遠隔行政窓口の設置など、取組は広がりつつあります。地域DXの拡大・定着には共通プラットフォームが重要で、データ連携やセキュリティ対策など技術的課題に取り組んでいます。また、市町の人材確保も課題で、民間からの専門人材登用やDX研修の拡充などの取り組みも進めていきます。
 人口減少が進む中、市町・民間事業者との連携を強化して、地域DXを推進してまいります。