コロナ禍での高齢者の医療・介護サービス利用控えへの対応について(第353回定例会 一般質問①)

感染による重篤化が懸念される高齢者においては、現下の新型コロナウイルス感染症の流行以来、長期にわたり医療機関の受診および介護サービスの利用を極力手控えられている状況にあります。高齢者のみならず高齢者のご家族からの感染による重篤化への懸念からできる限り高齢者の外出自粛の判断がなされているものと思われ、その思いは十分理解できるところでもあります。

一方では、かかりつけ医、理学療法士、薬剤師などの日々のケアが滞ることにより、受診控えによる服薬・リハビリの中断による病状悪化、外出機会の減少に伴う足腰の弱りによる転倒、さらには運動機能低下による寝たきりの恐れなどの懸念も大きく、厚生労働省でもホームページで「受診控えは健康上のリスクを高めてしまう可能性がある」などと呼びかけています。

高齢者の健康でのご長寿とご家族を含めたQOL(生活の質)を守るためにも、先ずはコロナ禍での医療受診や介護サービス利用の実態把握、そして健康状態維持のための地域の身近な医療機関からの在宅者への働きかけや訪問診療、訪問介護の充実、更にはコロナが落ち着きを見せた段階でのいち早いリハビリ再開などのための綿密な準備などが必要であると考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

答弁 福祉部長

新型コロナウイルス感染症流行下での受診状況については、昨年4~9月の後期高齢者1人あたりの入院外医療費は対前年比で7.2%減少、通所リハビリテーションの給付額は対前年比で6.5%減少するなど、本県でも一定の利用控えがあったことが窺えます。

新型コロナウイルス感染症の流行下にあっても安心して医療や介護サービスを受けてもらえるよう、適切な受診に関する啓発ポスターの作成や訪問や電話で健康状態・生活ぶりの確認等を行い、利用者の要望を踏まえたサービスの利用再開につなげています。また、住民主体の「通いの場」での感染予防の留意点や優良事例の周知で介護予防活動の継続を支援し、市町においても再び「通いの場」へ参加できるよう、民生委員等を通じた個別の声かけでつながりを取り戻す取組を進めています。

サービスの利用実態も把握しつつ、取組を通じて高齢者の必要な医療の受診や介護サービスの適切な利用・再開につなげていきます。