兵庫県では、保育人材が不足する中、保育士資格を持ちながら育児などで離職し た「潜在保育士」に対し再就職を促すため、国の特別給付金制度をPRし、人材の 確保に向け努力しているが、各市町でどの程度の保育士が不足しているのか、実数の 把握が出来ていない。事業の効果確認や今後の施策展開を図るうえでも、全体像の 把握は欠かせない。
保育人材職業紹介所として開設された「兵庫県保育士・保育所支援センター」を より一層有益なものとするためにも、 きめ細やかなニーズを把握し、求職者と法人や事 業者とのマッチングを行うなどの努力が必要と考える。
現在の保育士不足の状況を放置すれば、各保育施設間や隣接する市町間で保育 士の給与を過当に競いあうなどの状況も予測され、国は財政負担や制度改革で、県 は広域的な人的需給バランスの改善によって、その解決に寄与すべき問題だと考える。 保育士の確保にあたり、当局の現状認識と今後の対応、 兵庫県保育士 ・保育所 支援センターの活用について伺う。
|答 弁| 井戸 敏三 知事 県内の保育士の有効求人倍率は近年上昇を続けており、施設の採用状況も地域で異なり、地域格差が露わと なった。県は市町に対し聞き取り調査を行ったが、市町も実態を十分に把握しておらず、現在、各施設に対し、人 材確保の実態と行政に求める支援の調査を行っている。 保育人材確保に向けて、処遇改善等を通じた保育職場の魅力の向上に取り組む他、国の施策として5%の給与 アップが実施される。今年度から、復職する潜在保育士には子供の保育料や就職準備金の貸付を行い、保育士 試験を年2回に増やしたほか、一定期間保育士として勤務すると返済が免除となる保育士の資格取得を目指す 者の雇用経費の貸付けを行う。 潜在保育士の職場復帰や離職防止など、全県的な視点で需給バランスの改善に努めていく。