ひょうごビジョン2050の実施体制について (第357回令和4年2月定例会一般質問②)

 県では、21世紀初頭の兵庫県のめざすべき社会像とその実現方向を明らかにした「21世紀兵庫長期ビジョン」を策定して以来、今日まで各県民局を舞台にして県民との参画と協働により、ビジョンに描いたふるさと兵庫実現に邁進されてきました。

 「21世紀兵庫長期ビジョン」の基本指針は、 ① 従来の行政主導型の「計画」ではなく、県民や事業者、団体・NPO・NGO 、行政等の多様な行動主体が、将来の目標として共有できる望ましい社会の姿を示す、県民の「ビジョン」とすること ② 県民自らが策定し、自ら実践していくために策定や推進の過程を大切にする「プロセスとフォローアップ」重視が重要であること ③ 多様な価値観をもった行動主体の「参画」を促し、新しいビジョンそのものをコミュニケーションの手段、議論の素材として力をあわせて実行する「協働」の指針としての役割を果たすことが重要であるということでした。正に県民主役、地域主導すなわち参画と協働を高らかに提唱し、県民局を舞台に実践活動を積み上げてきたという経緯があります。

 今議会に齋藤知事の名において提案された「ひょうごビジョン2050」を実現していくにあたっては、わが兵庫県の宝物とでもいうべき参画と協働の文化とその成果の集積を生かすことが大切だと考えます。そこで、これまで取り組んできた「21世紀兵庫長期ビジョン」の成果や課題、教訓などの総括についてお伺いするとともに、今後「ひょうごビジョン2050」を実現していくための実施体制についてどのように考えておられるのか、当局のご所見をお伺いいたします。

答弁 斎藤元彦 知事

 21世紀兵庫長期ビジョンのもと県民主役・地域主導で兵庫づくりが進められ、県民局・県民センター毎の地域ビジョン委員による実践活動をはじめ、子育て、防災、健康、環境など様々な分野でビジョン実現に向けた活動が積み重ねられてきたことだと考えています。これまでの取組からは、多様な主体の参画が推進力になるとの教訓が得られた一方、担い手の高齢化に伴い、次世代を担う若い世代にどのように主体的に活動してもらうかが大きな課題となっています。

 「ひょうごビジョン2050」は、参画と協働の理念を引き継ぎ、県民が共にめざす姿を描き、地域から取り組む姿勢を基本的性格として掲げており、実現に向けては若い世代の参加促進と、地域の人材や企業などとのネットワークを築いていくことが重要と考えます。このため、まずは動画等、若い世代を意識した広報や出前講座などを通じてビジョンの認知度を高め、また公民連携プラットフォームを活かして事業者との連携強化をするとともに、県民局単位に地域づくりを担う多様な主体をつなぐ場づくりを進めていきます。

 さらに、県民同士や県民と行政が地域の未来について学び、語り合う対話の場の展開やワーケーション知事室や学生未来会議を活用し、多様な県民の皆様との対話を深め、「躍動する兵庫」の実現に向けた取組を進めてまいります。