スポーツ行政を所管する部局の移管について(第357回令和4年2月定例会一般質問①)

 兵庫県では、「兵庫県スポーツ推進計画」を策定し、教育委員会を所管部局として様々な取り組みをされてきました。「“ありがとう”心から・ひょうごから」をキャッチフレーズに開催した「のじぎく兵庫国体」や県下各地で多世代交流の場としても定着している「スポーツクラブ21ひょうご」事業は素晴らしい金字塔と誇りうるものだと思います。

 「兵庫県スポーツ推進計画」の重点目標では児童・生徒のみならず、社会人、高齢者、障害者など幅広い対象者への働きかけに重点が置かれ、地域社会を構成する多様な実施者との協働が求められています。またスポーツを通し、健康づくり、障害者スポーツにおける福祉分野、スポーツクラブ21による地域コミュニティ政策分野、スポーツツーリズムなどの観光分野にも着眼することの大切さが規定されています。全国では38の都道府県が知事部局でスポーツ行政を所管し、文化や観光、地域振興と結びつけています。また、体育協会は全国で38の都道府県がスポーツ協会と改称しており、31の都道府県で知事部局の所管となっています。「国民体育大会」の名称も令和5年から「国民スポーツ大会」に変更する法律が成立しています。

 教育分野のみならず他分野でのスポーツの効用拡大を狙う上で、私はこの際スポーツ行政の所管を教育委員会から知事部局に移管すべきだと考えますが、移管先となる知事部局のトップとして、知事のご所見をお伺いいたします。

答弁 新県政推進室長

 現在、スポーツ行政を教育委員会で所管している理由は ① 各種競技団体、市町体育・スポーツ協会、そして学校体育団体が県体育協会に加盟し、連携してスポーツ振興を図っていること ② 各種競技や競技団体の運営に教員が深く携わっていること ③ レクリエーション競技を中心に組織される生涯スポーツ連合や、県のスポーツクラブ21ひょうごも教育委員会で所管しており円滑な連携が行えること が挙げられます。神戸マラソンやワールドマスターズゲームズ2021関西など、大規模なイベントでは実行委員会方式で大会運営を行い、教育委員会と知事部局との連携を図っています。

 東京オリンピックでは、若者を中心に人気のあるスケートボードや自転車BMX等のアーバンスポーツが競技に新採用されたり、近年盛り上がりを見せるeスポーツは、地域活性化や多世代交流の促進に繋がる可能性もあります。このような新たなスポーツ行政の効果的な推進は、今後の重要な課題と認識しています。こうした状況を踏まえ、スポーツ振興を効果的に行える組織や所管部局のあり方について、引き続き議論してまいります。