がんは県民の生命に直結する重要課題であり、限られた医療資源の中で治療効果の最大化と地域間格差の是正を図るには、経験や慣行に頼らず、データに基づくEBPMの徹底が不可欠です。がん登録などのデータは予防・診断・治療の高度化に資するものの、それが医療圏ごとの提供体制の均てん化や集約化といった政策判断に十分活用されているかは明確ではありません。データを収集するだけでなく、分析結果を政策に反映する仕組みの強化が求められています。
その中で、県立がんセンターは高度医療の提供にとどまらず、県内のがん医療データを集約・分析し施策に活かす司令塔として位置づけるべきと考えます。診断時期や治療成績などを医療圏ごとに可視化し、医療機関の役割分担の明確化や遠隔医療の活用による集約化を進めることで、県全体の治療成績の底上げが期待されます。また、評価は生存率だけでなく、治療開始までの期間、相談支援や緩和ケアへのアクセス、就労や生活への影響なども含め、多面的に行う必要があります。さらに、検診から在宅療養までの各段階で課題をデータにより把握し、重点的に改善することで、切れ目のない施策を実現する体制の構築が重要です。
そこで、兵庫県として、県立がんセンターを中核とした体制整備も含め、がん登録等のデータをどのように政策判断に結び付け、EBPMの視点から県全体のがん対策を体系的に高度化していくのか、当局のお考えをお伺いします。
答弁 保健医療部長
県では「兵庫県がん対策推進計画」(2024年からの6年計画)に基づき、総合的ながん対策を推進しています。現計画では、111項目の指標によるロジックモデルを導入し、各分野の目標と施策の関連性を明確化するとともに、プロセス評価を通じてPDCAサイクルの実効性を高め、その結果を施策に反映しています。また、県立がんセンターは県内唯一の都道府県がん診療連携拠点病院として院内がん登録データの収集や協議会の運営を担い、県内がん医療のハブ機能を担っています。今後は国の方針も踏まえ、専門的知見を活用しつつEBPMを推進し、体系的ながん対策の充実に取り組んでまいります。

